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法人設立の経緯と、所信表明

2015年6月。

思うところがあり、10年間お世話になった新聞社を退社しました。何かアテがあったわけではありませんし、ましてや次が決まっていたわけでもありません。ただ「一度きりの人生で後悔はしたくない」という思いから、ありたい自分であれる環境を自らの力でつかみ取ろうとフリーランスの道を選びました。

活動フィールドは松本山雅FCで、そこにまつわる媒体への寄稿が全てでした。転機が訪れたのは2016年1月。クラブ公式有料コンテンツ「松本山雅FCプレミアム」で、編集長という立場をいただいてコンテンツディレクションを任されました。

年初から動き出し、キャンプに帯同することも決定。しかし当初は動画編集スキルもなければ、長年親しんできたWindowsからMacへの切り替えもおぼつかない。さらにはWordPressも使ったことがないので、モニターの前で右往左往しては途方に暮れる日々でした。

それでも周囲の力を借りながら何とか作業がスムーズにできるようになると、それと同時にコンテンツの「中身」により強くこだわれる余力が生じました。試合や日々のトレーニングを通じて得た感動を、どのように言語化してどのようなスタイルで伝えればいいのか。購読者の皆さまの満足度を上げるために、どのようなコンテンツを拡充すればいいのか。模索の日々が続きました。

それでも2016年シーズンの早期には方向性が定まり、その後は紆余曲折あれど順調に進んできました。もちろんチームの奮闘と躍進、そして裏方さんたちの下支えがあってこそですが、それに呼応する形で購読者数も右肩上がり。今ではサポーターの皆さまに広く知られるサブスクリプションサービスに育ったのではないかと自負しております。

それと並行して、スポーツライターとしてはさまざまな媒体で長野県におけるトップスポーツの他クラブも取材するようになりました。具体的には信州ブレイブウォリアーズ、VC長野トライデンツ、ボアルース長野。彼らを取材すると、現場やフロントの持つ熱量は松本山雅FCのそれに勝るとも劣らないと感じました。コート内のパフォーマンスを見ても、十分に魅力的。それなのに観客席には空席が目立っており、「もったいないな」ともどかしさを覚えたものです。

また、手掛ける分野はスポーツの枠だけに収まらなくなりました。企業や団体のウェブサイトを構築する際にライターとして依頼をいただくように。企業トップの方々の理念や自社製品・サービスに寄せる情熱に触れ、そのつど少なからず心を動かされたものです。この「学び」は必ずや自分の糧となり幅を広げるし、めぐりめぐって本分とするスポーツにも生かせる――。そう確信するに至りました。

思えば会社員時代も、同じように広い視野に立つことを心がけていました。勤務していた新聞社は諏訪・上伊那地方を発行エリアとしますが、そこだけを知っていても価値のある記事はなかなか書けません。取り扱う事象は県内、国内、あるいは海外と比較してどうなのか。「諏訪・上伊那が絶対的にAである」ではなく、「諏訪・上伊那は相対的にAである」という視座に立って初めて公器としての意味を帯びる、という信念のもと取材活動に当たっていました。

こうしてフリーランスのライターとして活動フィールドを広げてきましたが、それと同時に次のステップを意識するタイミングにも差し掛かりました。折しも「不惑」と呼ばれる40歳。近しい周囲からは「ずっと今のままなんですか?」「頼れる編集プロダクションさんが欲しいんですよ」などと言葉をいただいていた時期でもありました。

法人化――。

確かにフリーランスとして独立した当初も、おぼろげに描いていたロードマップの中にそれはありました。5年が経過し、仕事量は一人で対応できるギリギリの水準まで増加。そして多忙な日々を送っていた2019年の夏頃、親しい記者の一人から「長野県出身の大学の後輩がこっちに戻って仕事をしたいと言っているんですが、どうですか?」と紹介を受けました。

このようにさまざまな要素がパズルのピースのようにピタリとはまり、新たなステージへの挑戦を決意したのです。完全にゼロからのリスタート。松本山雅FCがJ1でギリギリの戦いを続けているのに追従する傍ら、士業の先生がたに各種の手続をお願いしたり自分で進めたり。何しろ全てが初めてのことだらけなので、準備に奔走しながら「法人ってこんなに大変なんだ…」と途方に暮れたものです。それでも多くの方々のサポートを得て2020年1月、なんとか設立にこぎ着けました。

これで、できる仕事の幅がグンと広がります。松本山雅FCはもちろんのこと、それぞれのフィールドで情熱を注ぎ込んでいる方々を存分にお手伝いすることができます。「よし、ここからまた頑張ろう」。そう気持ちを新たにしていた矢先、予想外の状況になりました。

新型コロナウイルスです。

フリーランス時代から継続して受けていた仕事は大半が消え、進行しようと話が進んでいたプロジェクトも軒並み中止か棚上げ。まさに文字通りの「開店休業」を余儀なくされました。

しかも当初は新規法人のためコロナの影響を受ける以前の前年同月比との売上比較ができないことなどから、雇用調整助成金などは対象外。その後になって雇用調整助成金は対象が拡大され、持続化給付金も「法人成り特例」が適用される運びとなりましたが、ステイホームとともに常に最新の緊急施策をチェックするのが主な仕事でした。

大打撃を受けた他業種の方々に比べれば影響は微々たるものかもしれませんが、創業したばかりの小さな弊社にとっては非常に頭の痛い状況。ただ、取れる選択肢が極めて限定された中でもできることはあります。その中の一つが、本日公開となった自社ウェブサイトの構築。来たるべき「アフター/ウィズ・コロナ」のフェーズに備え、パートナー関係にあるウェブ制作会社イー・オフィスさまに依頼して水面下で進めてきました。

そして緊急事態宣言が解除されたのをきっかけとし、社会は少しずつ動き始めました。もちろん「第2波」の襲来には弊社としても細心の注意を払いますが、皆さまのお役に立てるよう準備は整っております。

今後とも、よろしくどうぞお願いいたします。

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